野々川尚先生 講義 第1回「食から日本が滅ぶ」 【4話】

バックアップ体制

~世界の農事情~

 

タイやオーストラリアは、雨季乾季がはっきりしてます。
乾季の時は、私がいたオーストラリアなんて夏の間3か月間一滴も雨が降らないんです。
毎日快晴です。
そういう時に野菜をつくらなきゃいけないので、水は大変なんですよ。

 

冬の3か月は雨なんです。
雨といっても日本のようなシトシトではなく、ドカッと降る雨が毎日3か月間続く。ものすごいスコールの雨なんですよ。
でもその冬のおかげで夏の乾季に作物が作れる。井戸を掘りますから。

 

ですから気候で農に向いてる国ってそんなに世界にないんです。

 

日本の農業の在り方というか、国の考え方は「食べ物はよそから買えばいい」という考え方ですよね?基本が。
だからこんな勝手にアメリカで余った遺伝子組み換えのトウモロコシを250万トンも買って、どうするんだ!と思います。

 

250万トンですよ?

 

トランプ大統領のご機嫌ばっかり覗ってる場合じゃないでしょ?
そもそもカロリーベースで4割切ってる食料自給率をなんとか6割、7割に引き上げるためにどうするのか?
というのを考えるのが先決です。

 

そのために、オーガニックでなければ実現できないんだよ!ということを真剣にやはり考えなければいけない。

 

 

中国には約16憶人もの人がいます。
公表では13憶人ぐらいですが、国が把握している無戸籍の人達が約9000万人います。

 

だけど畑に行くと、「この時間学校なのに、なんでこの子たちが畑で働いてるんだ?」って子がわんさかいるんですよ。
戸籍がもらえないから学校へいけないんです。
そういう子たちを含めると間違いなく中国の人口は16億はいます。

 

実際に中国の農村に行った時の話です。
最初の1年目「さんはい」っていう企業に請われて行きました。
当時、中国最大の野菜の生産会社だったんです。海岸線にずーっと畑を持っていて、夏は北の方へ行って、冬にかけて南下してきて南の方まで、海岸線の畑をずーっと教えていたんです。

 

2回目行ったときは、雲南省っていうところ、もう本当に農村地帯ですね。
このエリアは中国国内で最も貧しいエリアなんです。
産業がない。
重慶という北京の前の昔の首都だった大きな都市はありますが。

 

ここに行って畑を見てるといろんな不幸もあって。

 

特にそう思ったのは、人身売買問題です。
昔から農家の人は、子供が2人まで作れたんです。
後継ぎができる男の子が生まれたらいいんですけど、1人目が女の子だと、2人目に生まれた女の子はだいたいは売られるんです。

 

農家の次女はほとんど売られちゃう。
売ることもできない子供たちは、戸籍も取らないので物心ついたころから両親の手伝いをさせられる。

 

私も実際に、病院が斡旋する人身売買の場に立ち会ったことがあります。
子供が生まれた瞬間、実の母親は見ることもできないんです。
もう取り上げられた瞬間に売られちゃう。
それを待ってるお金持ちがいるんです。

 

お金持ちの中には、罰金払ってでも女の子が欲しいっていうお母さんたちがいっぱいいて、病院に予約をしておくんです。
大体日本円で、病院の手数料が100万、実際に産んだお母さんに100万。

 

農家からすれば、100万なんてお金、一生かかっても稼げない大金です。

 

でも生まれてきた2番目の女の子もお金持ちに買われていった方が幸せなのかなと私は思います。
ちゃんと戸籍を取ってくれる。
国に罰金は払うんですよ、400万ぐらい。

 

それでもお金持ちだから、子供を育てたいと女の子を引き取って、蝶よ花よと育てられるから、その方が子供にとっては幸せかもしれない。
貧しい農村の次女で学校にも行けず、ずーっと父親母親の手伝いさせられて、そんな子がごまんといるんですよ。農村へ行くと。

 

それを今の習近平主席は変えようとしているわけです。
つまり農家が貧しいからそういう状況が生まれると。
農家を豊かにすれば、そういう状況は生まれないだろうといって。

 

だから「緑の政策」というのは、我々外国人から見ても非常に理にかなった政策です。
ですから中国の経済って絶対沈んでいかないですよ。
農業はどんどん発展しています。

 

習近平主席の一声で「これからの中国の農業はオーガニックに転換する!」と言ってそうなっているんです。
もちろん時間はかかりますよ。
そのモデル地域を作って、お手本を作って、「真似なさい!」ということですね。

 

次回につづく…

ABOUTこの記事をかいた人

1967年(昭和42)長崎県佐世保市生まれ。福岡&北海道在住。
実業家、投資家。縁の下の力持ち
数年前に急性前骨髄救性白血病を患うも完全復活。 健康に目覚め現在は野々川尚氏と共にオーガニック農業を日本中に普及させる活動を行なっている。