野々川尚先生 講義 第1回「食から日本が滅ぶ」 【9話】

~「日本の農業をどう考えていますか?」~

 

政府の三権の長の方に「日本の農業をどう考えてるんだ?」っていう質問をぶつけたらね、

「日本の農業はね、なるようにしかならないんだよね」って答えでした。

でもあの人の出身県は農業票なんですよ!
農家の票を集めて議員になっている人なんです。
その人がそういうこと言うんです。

 

それから、ある県の農業試験場の栽培技術課長という人にも会いました。
そしたらいきなり言われたのは「農薬を使わないで『もの』(植物)が育つなんて言わないでくれ!」「化学肥料と農薬を使わないとこの国の農業はできないんだ」
教えるトップの人ですよ!
課長だから。

 

そういう人がそういうこと言う。
僕は「もうほんとに終わってるな」と思いましたね。

 

つまり、本来だったらそういう地位にある人たちが僕がやっているようなことを研究して、技術普及すればいいじゃないですか。
これからの農業ははっきり言ってバカじゃできないけど、今までの農家の人たちってほんとに指導する側が農家に勉強する機会を与えなかったんですよ。

 

実際に化学肥料や農薬が出回ったころいい思いをしている人たちがいるから。
私よりもちょっと上の年代の人たちです。
私たちの年代も確かにそういう恩恵にあずかった人たちもいるでしょう、僕はないけれど。

 

でも私よりもちょっと上の年代の人たちは、そういう時代があったから忘れられないんですよ。
よかった時代を。
だから農協の言うことを聞いていればいい。
私の奥さんの両親もそうでしたから。「農薬つかえ!」って言う。
私がせっかく農薬を使わないでやってるのに、「そんなの農薬まいたらすぐ終わるぞ!」ってよく言われました。

 

でも、私のやっていることにはいろいろと口を出しましたけど、陰で変なことはされなかったからよかったですが、そういう時代が長くあった。
長くったってたかだか20年かそれぐらいですよ。

 

でもそれからあとどうですか?
どんどんどんどん農地が疲弊していって、後継者不足を理由にしてますけどね、耕作放棄地が増えてったり、そういうことがずーっとあったじゃないですか?
でも僕は国に言いたいですよ!「私に金出せ!」って。
そしたら全国にオーガニック広めて見せる。

 

今、そうやってオーガニックに取り組もうとしている、新規就農の人たちがいっぱいいてね、
私今、月に二回ほど北海道のほうへ教えに行っているんですよ。
自分がやっていたところが北海道だからというわけじゃなくて、

 

ある人は長崎の人で、長崎で大規模にオーガニックやりたいと思ったけど土地がない。長崎では土地が確保できない。
だからいろいろと情報調べたら、北海道にあったと。
そしてそこの農地を買って今、自分ところの社員を一人張り付けて、一から開墾からはじめて今でだいたい5ヘクタールくらい。
すぐ隣の反対側に17ヘクタールあるんで来年は20ヘクタールくらいの農地をオーガニックでやろうということで、一所懸命やってます。

 

そういう人たちを、潰そうとする輩がいるんですよ。
例えば、地元の名士の人たちとか、農業委員の人たちとか、そういうところの人が邪魔するんですね。
本当この国の悪いところです。まぁ、命を狙うまでは行かないけれども、どうなってるのかなぁ?って本当に思いますね…
 

次回につづく…